巨大地震と津波との関係は切っても切り離すことが出来ません。
あれやこれやと色々持ち出したい気持ちははもちろんあると思います。
しかし津波が迫りくるその一分一秒を争う必要のある方にはどんな備えを推奨するべきなのか。
自分の環境を思い浮かべながら一緒に考えていきましょう。
1.津波の到達時間(シミュレーション)を調べる
いくら「津波が来る」と一言でまとめても、実際は2分後に来ると言われている地域もあれば、1時間以上かかってようやく到達する地域もあります。
まずは自分の住んでいる地域の津波到達時間(目安)を把握しておきましょう。それによって荷物の量を調整することが可能になるかもしれません。
家の立地によっては高低差によって到達時間が前後することもあるでしょう。
2.サバイバル3の法則を優先する
市販されている防災バッグには避難所で快適に過ごすための物が多く入っています。
荷物を最小限にするためにはそういった贅沢品を取捨選択していく必要があります。
では生命を維持するためにはどういった観点を持てばいいのか、その指標となるのがサバイバル「3の法則」です。
空気 3分
これは火山ガスやガス管の破裂などによる有毒ガス、もしくは溺れて呼吸が出来なくなるなどと言った事態に該当するため、ひとまずはここでは触れません。
強いて言えば「マスク」を1,2枚入れておくことで感染症予防の他にも「防寒」「保湿」にも一役買ってくれます。
体温 3時間
津波被害を想定する沿岸部では特にこの「体温」を意識する必要があると考えます。
夜間、沿岸部、高所に避難したとなると常時強風に見舞われる可能性があります。体温維持が出来なければ季節によっては朝を迎える前に命を落とす可能性も出てくるでしょう。
そんな時の為にも体温を維持できる「アルミブランケット」(アルミシート)などは優先的に持ち出すべきものと言えます。
他にも寝袋タイプの物も風を防ぐには有効です。
また使い捨てカイロを一枚入れておくことで局部的ですが暖を取ることが可能です。
水 3日
次に大事になるのがこの「水」になります。
しかし水が荷物の中で一番重い物と言っても過言ではありません。
走るとなると500mlの水でも重たく感じるはずです。もう一つ小さい350mlや285mlという物も売っていますのでこういった少しでも軽くする工夫が必要になります。
食料 3週間
一日という単位では食料はそれほど重要ではありません。例えばキャラメルなどの小さい物、夏場であれば塩キャラメル、塩飴、塩分チャージタブレットなどを入れておくことで熱中症対策にもなります。
「えいようかん」を一本入れておくだけでも十分な栄養を確保することができます。
ポイントとしては、食料を充実させようとしないことです。
食料を追加するのであれば水を500mlにするなど水分を優先的に充実させましょう。
持ち出しバッグ
リュックタイプでももちろんOKですが、子供がいる方はウエストポーチなども推奨できます。
子供を持ち上げた時にヒップシートととしても利用できるため円滑な避難が出来るかもしれません。
また夏には冷感タオルをバッグにくくりつけておくと暑さ対策にもなるかもしれません。
防寒着またはレインウェア
これはバッグに入れる物ではないのですが、冬場問わず必ず持ち出してほしいものになります。フード付きの物であれば首元の体温維持が出来るため、冬場にはモコモコの温かい防寒着を羽織って避難するようにしましょう。
また夏場といえども夜は冷えるものです。特に梅雨時や雨天が予想される場合だけではなく、レインウェアは防寒着にもなるため時間が許せば着込んだり持ち運んだりして避難することをオススメします。
その他の小物
他にも緊急連絡先、家族写真、ホイッスルなどなど、他では色々必要と言われている物がありますが、やはり「最小」というなら必要の無いものは多くあると僕は考えます。
その中でも特に必要になるものが次の物です。
常備薬
持病を持っていて摂取しないと命に関わるもの。
これはすなわち避難が出来てもその後の生命維持が困難になるものを指します。
かかりつけの医者に備蓄用に少し多めにもらえるように相談してみましょう。
最後に
一番大切なのは「人命」です。
防災バッグは命をつなぐために必要な物ですが、防災バッグを優先して命を落とすのはもっての他です。
先ほど取り上げたレインウェアも、バッグごと覆える「ポンチョタイプ」はオススメできません。
最後の「バッグを捨てる」という行為がスムーズに出来なくなる恐れがあるからです。
津波が目の前に迫ってきた、そんな時は防災バッグは捨てましょう。
持ち出しバッグに入れる「最小限」のもの
- 常備薬
- マスク
- キャラメル(夏場であれば塩分を摂取できるもの)
- 水(350ml or 500ml)
- 防寒着
- アルミブランケット
ここをスタートとし、自分の体力や津波が来るまでの時間に合わせた防災バッグを準備してください。
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