最近、カセットコンロを原因とした火災が多いことを知っていますか?
ガス抜きしていたら爆発してビルが燃えたなんてニュースも何年置きかに毎回ニュースになってます。
近年ではキャンプブームの影響で「キャンプ中にカセットコンロを使っていたらテントが燃えた」などの事故も多くなってきているので使用する際には注意をしなければならないアイテムの一つです。
基本的には全部これです。「ガス爆発」
今回はこれが起きる理屈を理解しておきましょう。
この理屈を知っておくと、屋外でなぜコンロの火が弱まるのか、点かなくなるのかも理解できるようになるはずです。
ガス爆発が起こる理由

カセットコンロでガス爆発が起きる理由は大きく分けて2つだと思っています。
- 缶が熱膨張して破裂する
- ガスが漏れる
ちなみにスプレー缶のみでは「破裂」はしても「爆発」はしません。
火になるものが無ければ爆発まではいきません、ただし可燃性ガスが狭い空間に充満した場合、些細なキッカケ(通電による火花などでも)で爆発にまで発展する可能性はあります。
ではなぜこれらが起きるのか考えてみましょう。
理由① 缶が温まる
まずガス缶にはこんな注意書きがあります。
高温にすると破裂の危険があるため、直射日光の当たる所や火気等の近くなど温度が40℃以上となる所に置かないこと。
よくストーブの前に置いて爆発させる実験だとか、車内放置していたら爆発したなどの映像がありますが、
そんなのは当たり前です。
怖いのは、正規の使い方をしていると思っていたら爆発するから怖いんです。
原因:大きい鍋を使う
え?こんなことで??
と思うかもしれませんが、次の写真を見てみてください。
<標準的な大きさの場合>

これは正規の使い方をして、鍋も標準的な大きさの鍋です。
ガスボンベの近くまで熱源(鍋)がきていません。
この場合は、爆発のリスクは限りなく低いでしょう。
そうでないと困ります (笑)
実はカセットコンロに火が付いている最中は、
缶本体は常に冷えようとしています。
なので多少の熱がかかっても、爆発する温度にまでは到達することはまずありません。
<大き目の鍋の場合>

ここまでやらなくても判るとは思いますが、鍋が大きいとガスボンベの上を覆いかぶさるようになり、正規の使い方よりも温まりやすくなります。
ただし、右の写真を見て分かるように、そもそも大きい鍋が乗らないような配慮もされている気もします。

つまり、大きい鍋を使うことによって熱源がボンベに近づいてしまうため爆発のリスクが高まることになります。
缶が異常に熱くなった場合には、カセットコンロの安全装置(圧力感知安全装置)が作動し、カセットボンベを切り離してガスを遮断するように出来ているため、普通に使用している分には爆発までには至らないでしょう。
理由②:接続不良、形状の変形
ガス漏れは主に、ガスボンベとコンロの接続不良によっておこります。
これは、人が悪いこともあればモノが悪いこともあります。
<人が原因>
- 奥まで押し込めていなかった(カチッというまで)
- 切り欠きが合っていない
<モノが原因>
- 接続部の変形(強い力がかかった、不良品など)
- 経年劣化によるサビ

実は昨年、我が家でも危ない瞬間がありました。
長女がボンベを嵌めてみたいというのでやらせたのですが、その後数秒後、ガスの臭いがすることに気づきました。
どうやらボンベを奥まで押し込み切っていなかったようで、ガス漏れが起きていました。
なかなか火が点かずに点火スイッチを何回も回していましたが、もし点いていたらと思うと、、、
カセットコンロの豆知識
メーカーは純正じゃないとダメ?
基本的にはJIS規格で定められたものしか市販されていないため、純正品ではなくても使えるのは事実です。
1995年の阪神淡路大震災の際に各メーカーからカセットコンロが支給されたのですが、ボンベに互換性が無かったため不具合が生じたことを背景にJIS規格として定めたそうです。
なので現在市販されているカセットコンロは別のメーカーのボンベも使えるようになっています。
ただし、各メーカーは他社の商品でテストしている訳ではないので、絶対安全ですとは言い切れません。
国産の物の方が安心ですよね。海外の物は品質にばらつきがあるため、必ずしも安全とは言えない気がします。
少なくともどこで製造、販売している商品か分からないようなものは絶対に使わないください。
缶は冷たくなる
制汗スプレーなどを使った後、缶が使う前より冷たくなってませんか?
これは、液体が気体なるときに生じる気化熱と呼ばれるものです。
カセットコンロを使用している間は、ボンベは気化熱によって冷却されてます。
従って、鍋から多少の熱を受けても気化熱による冷却があるため、正常な使用温度に保たれているということです。
カセットコンロは寒いと火が付かない
直接自分で検証したわけではないですが、ボンベ本体の温度が0℃を下回るとほぼ燃えなくなるようです。
カセットボンベは主に2種類に分類できます。
- カセットボンベ(CB缶)
- アウトドア缶(OD缶)
それぞれ混合されているガスの成分が違います。イソブタン、プロパンが含まれているほど低温に強いようです。
イノマルブタン < イソブタン < プロパン
ちなみに僕の使っているイワタニカセットガスのホームページにガスの成分構成比が記載されていました。
イソブタン:約30%
ノルマルブタン:約70%
缶にはLPG<液化ブタン>としか表記されていないので、混合比は缶を見るだけでは分からないようです。
もし氷点下で使用することを想定される方はOD缶の備蓄を推奨します。
もし外気温が0℃付近で使用する場合は手で缶を温めるなどすると使用できるようになるようです。
まとめ
火災だけではなく、一酸化炭素中毒の危険性もあります。
換気の良い場所で「普通」の使い方をしていればまず安全に使える代物です。ガス缶は危険なものという意識をもって取り扱いましょう。
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